観光地について

先日タクシーで移動していて、ドライバーから「このあたりは観光地なんですよ。お酒や和菓子だけでなくいろんな名産があって、見るところがあって、かつてはもっとたくさん観光客がきていたんですよ」と言われた。はあ、そうなのか、なるほどそういう見解もあるのかと思った。言われるまで気づかなかった。ここは実は観光地らしい。観光地とは、自ら紹介して誘致するものだったのだ。そしてこういう場所を観光地と呼ぶのだと。

僕はタクシードライバーではないから、他府県から来た人へ自分の故郷をそのように紹介することはない。しかし、紹介せずとも向こうが知っていた。言うまでもなく、地元は観光地だった。それが当たり前過ぎて「京都は観光地だ」などと言ったことはなかった。何が名産で、とか、どこに何があって、などと紹介することもない。むしろ来る人のほうが我々より知っていることのほうが多い。それらは観光客向けに紹介宣伝されているからか、多くの地元の人は知らなかったり、または当たり前だったり、もはや忌避していたりする。

京都人は観光客を風景の一部として見ている。そして観光地観光地と呼ばれるから、京都は観光地なんだなあと認識してきた。自ら喧伝せずとも地元は観光地であり、酒や和菓子で有名だった。だからこのあたりを観光地だと説くタクシードライバーに「出身はどちらで?」と聞かれて京都とは言えなかった。相手を嫌な気にさせるのではないかと思って。もう京都人ウザイ空気満載になってきたから話を逸らそう。

例えば、京都で意外と知られていないのは、優良企業がたくさんあることだったり、ラーメン激戦区だったりすることだ。任天堂以外にも京都の企業はある。しかし、そんなことを東京の人に言えば「へえ」と思われるだろう。優良企業がいっぱいあるって言われても、いやそりゃ確かにあるかもしれないけれど、東京とは比較にならないから…って。ラーメン激戦区の本場がどこか知らないが、福岡の人に「京都はラーメン激戦区なんです」なんて言ったところで「えっ…?」と思われるだろう。「はあ、そうなんですか」と返ってくればいいほうだ。だから京都の特徴として優良企業を挙げたり、ラーメンを挙げたりするのはなかなか無理がある。京都は所詮、観光地でしかないんだと。

ブログのタイトルにまで地元名を入れておいて、郷土愛満載なのかと思いきや、地元について触れることはあまり多くない。

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