「パターソン」を見た

2016年に見逃しておきながら、もっとも見たかった映画の一つであるパターソンを今更ながら見た。プライムビデオに入っていたので、プライム会員は今なら追加料金無しで見れます。

ジム・ジャームッシュ監督作品はこれまでにもいくつか見てきた。ストレンジャー・ザン・パラダイスに始まり、ダウン・バイ・ロー、コーヒー&シガレッツ、オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴなど。一時期Netflixにたくさんあり、その当時は恵まれていたなー(今はない)。ナイト・オン・ザ・プラネットもあったのに、見ておけばよかった。

さて、パターソンである。パターソンもそんなジム・ジャームッシュ映画だった。オンリーラヴァーズ的なやつではなく、初期の作品っぽい。なんかずっと、日常的なやりとりしている。パターソンは日常映画としての側面と、コメディー側面、アート映画の側面があると思う。僕はとにかくこの映画の街描写が好きだ。

見るべきものが何もない、アメリカの小さな町。旅行で訪れるにはあまりにも物足りない。しかし、この街の描写がものすごく良い。バスの車窓から見える景色、バスが走る街並み、バスの車内の様子、人が歩く道、家の中、バーの中、出会う人とのやりとり。ひとつひとつそのものはなんてことないんだけど、ここに住む日常の魅力を存分に映し出している。一生住みたいとは思わないが、ときどき一ヶ月ぐらい滞在したい。友達がいてもいなくてもいい。

内容は全然違うが、街生活映画としてはNetflixオリジナルドラマのマスター・オブ・ゼロにも近い。あっちはインド系のコメディアンを起用したもろコメディードラマだったけれど、パターソンのアダム・ドライバーはコメディアンではなく、もっと間を使った抑えた表現になっている。

刺激や感動を求める人には物足りない映画。でもパターソンを見ていると、パターソンにおけるパターソンの生活をずっと見ていたいと思える、そんな映画でした。この映画も見る前に予告は見ないほうがいいです。

パターソン(字幕版)

パターソン(字幕版)

  • アダム・ドライヴァー
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