消極的ポルノ反対論

ポルノは僕も利用するけれど、利用しておきながら、大まかに言えばポルノには反対です。娯楽としての性産業はなくなっていいと思っている。ただ実際はなくならないだろうし、自分も利用しているから積極的にポルノ反対論を展開するというわけではなく、どちらかと言えば反対、という程度。

自分事で恐縮ですが、ポルノを利用していると、ときどきポルノと現実を混同してしまいそうな錯覚に陥る。ポルノは飽くまでファンタジーなんだけど、そこには現実の人間がいて、限りなく現実に近いシチュエーションがあったりする。ファンタジーだが、客に受けるようにリアリティを追求している作品も中にはある。だから、一瞬現実と錯覚してしまう。

例えば、性風俗のサービスを受けていたとして、その行為の最中に一瞬相手が本当に自分に好意を持っているのではないか、そこまでいかなくても、行為を好意的に受け取っているのではないか、と勘違いすることは大いに有り得る。よくよく考えればそうでないことは明らかなんだけど、客がサービスにハマるのはその錯覚があるから、という場合もある。キャバ嬢に貢ぐ客のように。

例えば、中国の男性の間では「日本=AV」というぐらい日本のAVが見られていると聞いたことがある。彼らは日本の女性が皆AV女優のような女性ばかりだと誤解していないだろうか?間違った認識を与えていることはないだろうか?ファンタジーであることが正しく伝わっているだろうか?不安になる。

そういう勘違いであったり、認知の歪みであったり、錯覚を起こしかねないから、僕はポルノに反対です。例えば毎日ポルノを目にしている人が、現実の女性を目の前にして、ポルノに吐き出していた欲求をその女性にぶつけないかが心配です。ポルノが飽くまでファンタジーであり、現実と錯覚・混同することがない人間のみが、ポルノを利用してほしいと思います。

何より、身の回りの人、家族や親戚や友達が性産業に従事するのは耐え難い。本人が望んで行っているなら応援すべきかもしれないが、そうでない場合はなんとかしようとする。身内さえよければ、他はどうなってもいいとも思わない。だから、やはりポルノには反対。消極的にだけど。

先日転売ヤーについて日記を書いたけれど、転売ヤーも性産業も、買う人がいなくなればなくなると思う。買う人が悪い、とまでは言わないが、売る人間よりは買う人間のさじ加減だと思っている。欲望をコントロールできる人の割合が高ければ、転売ヤーも性産業も滅びるのではないだろうか。