「週末アジアに行ってきます」を読んだ

一ヶ月以上前に読んだ本だからざっくりと感想を述べます。著者は下川裕治。僕の印象だと格安航空券のおっさん。ヒゲのおっさん。今も現役で旅行ライターをされている。

一昔前、週末海外という言葉が流行った。土日や三連休を利用して、気軽に海外旅行へ行くやつ。僕が会社員だった頃だから10年ぐらい前の話になるけれど、当時の先輩なんかも週末に香港や台湾、タイなどに行って、買い物、マッサージ、屋台めしを楽しむという旅行をしていた。

しかしまあ、バックパッカーはそういう消費旅行を求めない。下川裕治さんは、バックパッカーを卒業して日本社会に戻っていったかつての仲間たちから「今も旅行ができて羨ましいですね」と言われたそうだ。仕事でバックパッカーができるなんて。だったら彼らのために、バックパッカー向けの週末海外も模索してみようではないか。というのが本書の狙いだった。

結論から言うと、無理があった。この本ではアジアのいくつかの旅先と、そのルートや手段、日程が紹介されている。そのどれもが「そんな旅行誰がしたいの?」というような内容だった。ほとんどの時間が移動に費やされる。しかも現地の足を使うから不正確で、間に合うかどうかわからない。行った先には何もない。一泊か二泊して、また必死の移動で日本まで帰国する。誰もやらないだろこれ…。

バックパッカーは時間制限がないからこそ、楽しめた旅行スタイルであることを実感する。スケジュールとは極めて相性が悪い。ここで紹介されている旅行プランは、帰国の翌日に会社員としての日常が待っている人には、とてもじゃないが決行できない。飛行機に乗り遅れるリスク高すぎ。そんなことを心配しながら旅行しても全然楽しくない。

バックパック旅行の醍醐味が移動にあることは知っているけれど、長時間の悪路を移動して帰ってくるだけの旅行なんて、さすがのバックパッカーもゴメンだと思う。試みとしてはおもしろいのだけど、無謀な挑戦だった。それを真面目に紹介しているから…まあ読み物としては、奇書の部類に入るんじゃないか。読み終えると、当分旅行なんていいやと思える一冊でした。

どんな旅行が紹介されているのか気になった人は、買って読んでみてください。