一人だと何もしないな

地元京都では今、「きょうと魅力再発見旅プロジェクト」というのが行われており、府民による府内の宿泊が割引される。

一人だったら絶対利用しなかっただろうな。地元でわざわざ外泊するなんて発想は、いくら割引があってもありえない。去年のGoToトラベルだって、一人だったらきっと利用していなかっただろう。特に行きたいところもなく、ずっと自宅で過ごしていたと思う。

一人旅行自体はよくするほうだった。でも僕の旅行は観光がメインで、国内に見たいところ、行きたいところはない。国内の友人を訪ねる旅行はあったものの、完全な一人国内旅行はしたことがないかもしれない。大学生の頃にバイクで名古屋まで行って、土砂降りになってリタイヤしたぐらい。

旅行に限らず、外食なども一人だとほとんどしない。せいぜいラーメンかカレーぐらいで、軽食と言える。外食のために出かけたり、予約して店に行ったりすることはまずなかった。

一人だと行きたくても行けなかった、というわけではない。行きたいところは一人で行っていた。ただ映画館でさえ、一人ではめんどくさくてほとんど行かなかった。美術展や写真展などは、一人でもときどき行っていた。友達とどっか行くこともあったけれど、予定を合わせるのがめんどくさくて、本当にたまにある程度だった。めんどくさい、が発動しやすかった。

一人だと、ほんと何もしないなと、つくづく思う。誰かと一緒に何かをしたいとか、どこかへ行きたいっていう願望もないから、相手を探してやるようなこともなかった。何もしないというのは、外で何もしないというだけであって、自宅で何かをしている。本を読んだりマンガ読んだり映画を見たりネットを見たり音楽を聞いたりゲームしたりしている。

それらは今もやっている。ただ自分は一人じゃなくなってから、行動範囲が拡がった。活発な人は一人でもいろいろやっていただろうけど、僕はそうではなかった。一人だと、自分の願望の外で何かするってことがない。それは当然のことで、やったからといって見合う何か得られたり、発見があるわけでもない。

世の中の、ありとあらゆるサービスや施策、施設、その他もろもろは、自分を対象としていなかった。だから多くの物事が、自分には関係ないと思っていた。でも一人じゃなくなったことで、行動範囲に含まれるようになった。

そういうことってあるよなーと思った。それだけです。一人だからこそやることもある。危ないこととか。