25・26日目、ラバト→バルセロナ→ストックホルム

前回の続き

ラバトの空港では、ネットも使えないまま5時間ぐらい待った。特に何もすることがなく、日記なんかを書いていた。バルセロナ行きの飛行機にはわずか7人しか乗っておらず、7人のために飛行機が飛ぶことを考えるとややもったいない気がしたけれど、電車なんかはいつもそんなもんか。一人のアメリカ人が持っていたパスポートケースが、革のケースで世界地図が描かれていた。ちょっと欲しかった。

 

バルセロナで空港泊

夜1時頃、バルセロナの空港についてから高いサンドウィッチを食べた。関空は空港だからといって特別高くなかったところが評価できる。その後寝るためのベンチをさまよっていた。今日は空港泊だ。この旅行で2度目の空港泊となる。バルセロナの空港は外に出られるのが良かった。空港の建物の中にずっといるというのは息が詰まる事が多い。ドバイの空港で長時間のトランジットをした時などそう感じた。ドバイは外が暑いから出たら出たで大変かもしれない。バルセロナの空港にあるベンチは寝られるようになっておらず、結局空港でほとんど寝ずにストックホルム行きの飛行機に乗った。

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再びアーランダ空港からストックホルムへ

アーランダ空港に着いたのは夕方5時。バゲージクレームで荷物を待っていたら来なかった。僕だけではなく何人もその場に待機しており、どうしよう、係員に問い合わせよう、と右往左往してたら、何故か僕のバックパックだけ違うレーンに流れていた。他の人は依然として荷物を待っている。全く違う飛行機のレーンから荷物を拾い、僕は空港のWi-Fiを利用して今日泊まる予定のカウチサーフィンのホストへ連絡をとった。彼は最寄り駅まで迎えに来てくれるという話だったため、空港から最寄り駅の電車に乗る際に連絡欲しいと言われていた。空港から最寄り駅までの電車は135kr(約1,900円)。バスだともう少し安かったものの、電車の駅は空港に直結しておりバスに乗るのはめんどくさかったため電車で向かった。後に詳しく書くけれど、ストックホルムの物価は高く、それでも観光に特化したストックホルムカード、もしくはトラベルカードをうまく活用すれば出費を抑えることができる。ストックホルムカードやトラベルカードは空港で買えるため、この最初の135krの電車代だってもう少し節約しようと思えばできた。

空港を出たのは夕方6時。出て気づいたのが、寒い。やたらと寒い。空港内は温度調整が効いていたものの、電車の駅から既に寒かった。機内やバス移動を除けば、今まで旅行中ずっと暑い思いしかしてこなかったため、夏なのに寒いというのはある意味新鮮だった。電車に乗ってもやはり寒い。車窓から見た景色は、初めは森だった。このような針葉樹林を見たのは久しぶりかもしれない。電車の乗車時間は約1時間、そのうち街が見えてきた。駅で電車を待っている人は、なんとコートを着ている。スウェーデンも北半球だから夏には違いない。6月下旬なのにコートや薄手のダウンジャケットを着ているのだ。気温は、9℃〜15℃。そりゃあ寒い。夏にこんな寒い場所は今までなかった。冬は−20℃まで下がるトロントだって今の季節には25℃近くまで上がっている。そしてこの寒い中、Tシャツの人もいる。彼らの温度感はよくわからない。

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さすがにデザインの街だけあって、窓から見えるストックホルムの街はきれいだった。窓ガラスが綺麗であり、建築物の直線が実に揃っていた。大きくない駅にまでデザイン性を感じる。

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ヨハン

ストックホルムを通り越して駅に着くと、カウチサーフィンのホストが待っていた。身体がごっつい。背は190ぐらいだろうか。

「駅まで来てくれてありがとう。僕はカズ、名前はなんて発音すればいいの?」

「ヨハンだ。よろしく。まるでバックパッカーみたいだね、肌も黒い」

「ここに来る前までアフリカにいたんだよ」

「おお、なるほどね」

彼は落ち着いた物静かな男性だった。そして駅から自宅へと案内してくれた。彼の自宅にはレゲー(レトロゲーム)がたくさんあった。ファミコン本体やスーパーファミコン、カセットもある。セガサターン、ゲームボーイなど、彼はレゲーマニアだった。それらは僕にとって懐かしいものばかりだった。古いものだけでなくPS3などもあった。

「すげーなっつかしー」

「こういうのもあるよ」

彼が指差した先にはゲームセンターCXのDVDがあった。

「僕は普段ゲームやる時にクリアできないと1時間や2時間で諦めてしまうんだ。けれどカチョー(有野課長)はクリアするために8時間とかやるだろ?カチョーには励まされるんだよね」

彼は日本のゲームが好きらしく、ファイナルファンタジーや龍が如くが好きだと言っていた。日本へ行った時の写真も見せてくれた。任天堂などに行ったらしい。秋葉原へも行っていた。そこでもカセットを購入したそうだ。普段はeBayで買っていると言っていた。オタクかと思いきやアニメとかは全く見ておらず、いわゆる日本のオタクとは少し違った。彼はテレビ関係の仕事をしているそうだ。職場にはたくさんの移民がいるけれどみんなスウェディッシュを話すらしい。それを聞いてスウェーデンに移民は無理だなと思った。そうこうしていると、雨が降ってきた。夜8時だ。

「もう外に出るのは無理だなー」

「時間も遅いしね。やめといた方がいい。何か食べるかい?」

「そうだね、近くにスーパーがあったよね?」

確か駅の近くにあった。

「でも雨降っているからね。いいよ、僕が用意する」

「本当に?」

彼は何か作り始めた。僕は黙って部屋に置いてあるものを眺めていた。日本語を勉強しているらしく、日本語検定試験のテキストなども置いてある。

「スウェーデン料理はマッシュポテトとミートボールだ」

差し出された更に乗っていたのはそれだった。僕はありがたく頂いた。正直なところ、ミートボールは上手かったけれどマッシュポテトは苦手だった。

僕らは夕食を食べたあと、ファミコンのくにおくんをやった。最後まで行ったもののれいほうのりゅういちりゅうじにせんぷうきゃくを連発され、ゲームオーバーになってしまった。

次回、27日目ストックホルムはレベルが違う