今年読んだ本

去年おととしと今年の夏まで日本を離れていたせいで、全然本が読めなかった。今年の夏以降はこれまでに比べ本を読み、感想を書いたため振り返ってみた。それでも35冊、月1冊読めばいい方だった以前に比べると多い方だ。僕は一冊読むとその後何日もかけて考え、落とし込むための長い時間を要するから、同時並行で読んだり次々と読むことができない。器用な人はそういうのを読みながら行ったり短時間でこなしたり何冊も同時にできるんだろうけど、僕はなかなかそういうのを一つずつ集中しないと思考がはかどらない。 速読多読より熟読派であり、同じ本を何度も読んだりする。

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特に印象的だった本

非ユダヤ的ユダヤ人

それでも全然感想が書けなかったりするわけで、今年読んだ本で一番良かったのは非ユダヤ的ユダヤ人だった。日記ではさんざん触れてきたものの、本の感想として文を書くことができない。僕はこれをイスラエルで読んでいて、思うことはたくさんあったんだけどどう書いていいかわからない。

アイザック・ドイッチャーという人が書いた本で、この人の職業は歴史家(ヒストリアンという英語があるらしい。日本人で歴史家っていう職業の人はいるのだろうか)、トロツキーやスターリンの伝記が有名だそうだ。ユダヤ人でポーランド出身のアシュケナージである。父親が強制収容所で亡くなっている。10代の頃はラビ(ユダヤ教のお坊さんみたいなの)だったが、共産主義者になる。そんな自伝的な内容も含めた戦後のイスラエルやユダヤ人論、非ユダヤ的ユダヤ人から見た世界とユダヤ人との関わりを論じている。

いわゆる一般的なユダヤ人批判や、それをとりまく世界に対する批判もあり、その打開策として自らの思想とするインターナショナル(社会主義)を提唱している。時代遅れの教義に凝り固まったユダヤ教徒や、一民族国家主義のような枠組みで固まり、異民族、異教徒への排外主義というこれもまた時代遅れの流れが争いの種になっているのだから、そういう枠組みを越えていこうという理想的な話。ちなみに僕が買ったときはAmazonマーケットプレイスで1円だった。あまり興味持たれないんだろうな。

非ユダヤ的ユダヤ人 (岩波新書 青版 752)

非ユダヤ的ユダヤ人 (岩波新書 青版 752)

謎の独立国家ソマリランド

今年は個人的に高野秀行フィーバーだったが、その中でも一番最初に読んだソマリランドがいろんな意味でベストだった。ソマリランドの良さを簡単にまとめると、新世界・冒険・謎解きのすべてが詰まっていたこと。高野さんの本をいくつか読んだ中では、そのどれかが欠けていたり、要素が弱かったりすることがあったけれど、この本は3つともが最高点だった。

その分他の著書に比べると、やや難しい内容にもなっている。他の本は気軽に読み進められるが、ソマリランドに関しては考えを巡らせながら読まなければいけない。前提条件としては小学生レベルの日本史の知識が必要になってくるし、当たり前程度の世界情勢も知っていないと話にならない。その上で謎だったことが解き明かされていったり、思いもよらない新発見が出てくる驚きが、この本の醍醐味である。出版から3年経つが、ロングセラーでいまだに増刷されているみたいです。

謎の独立国家ソマリランド

謎の独立国家ソマリランド

今年読んだ本

特に印象的だった2冊だけを挙げた。他に今年読んだものを全て一覧にしておこう。こうやって見るとなんともまとまりがないというか、バラバラな本読んでるなあ。今はSFの「タイタンの妖女」を読んでます。Kindle版が594円でポイントが123ptついてきた。これはもう文庫版マーケットプレイス最安値の370円+送料250円より価値が高いと思う。

タイタンの妖女

タイタンの妖女

小説

青が散る|宮本輝
ペスト|アルベール・カミュ
コンビニ人間|村田沙耶香
何者|朝井リョウ
予告された殺人の記録|ガルシア・マルケス
他人の顔|安部公房
国境の南、太陽の西|村上春樹(再読) ★★
世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド|村上春樹(再読)
スプートニクの恋人|村上春樹(再読)
タイタンの妖女
帰ってきたヒトラー ★★

新書

非ユダヤ的ユダヤ人|アイザック・ドイッチャー ★★★
歴史とは何か|エドワード・ハレット・カー
日本の思想|丸山眞男 ★
知的生産の技術|梅棹忠夫 ★★

旅行

雨天炎天|村上春樹 ★★
辺境・近境|村上春樹 ★
遠い太鼓|村上春樹 ★
謎の独立国家ソマリランド|高野秀行 ★★★
未来国家ブータン|高野秀行
恋するソマリア|高野秀行
西南シルクロードは密林に消える|高野秀行 ★★
アヘン王国潜入記|高野秀行
ミャンマーの柳生一族|高野秀行
サイゴンのいちばん長い日|近藤紘一
嘘つきアーニャの真っ赤な真実|米原万里(再読) ★★

その他

間違う力|高野秀行
放っておいても明日は来る|高野秀行
ワセダ三畳青春記|高野秀行
異国トーキョー漂流記|高野秀行
移民の宴|高野秀行
知っておきたいマルクス「資本論」|神津朝夫
辺境中毒!|高野秀行
ネットワークはなぜつながるのか|戸根勤 ★
コンピュータはなぜ動くのか|矢沢久雄 ★