本読み

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カズオ・イシグロのNHK白熱教室

これについては長く書こうかと思ったけれど、時間が経ったので簡潔に。ノーベル文学賞から10日が過ぎ、この話題も既に落ち着いていることでしょう。受賞コメントが日本でも報道されていたが、実にリップサービスの上手い人だと感じた。言葉を選び、当たり障…

ネットから図書館を活用する

大阪に住んでいた頃は、北堀江の図書館にときどき通っていた。あそこはよかった。3フロアか4フロアほどあって蔵書も多く、自習室もあり、雑誌を読みにいったりもしていた。その点、京都は終わっている。スペースは狭い、蔵書は少ない、自習は禁止、何のため…

Kindleダイレクトパブリッシング、半年で売れたのは27冊、しかし…

最近わけのわからない振込が毎月あるなーと思って銀行口座の履歴を調べてみたら、Kindleダイレクトパブリッシングからだった。3月に出したKindle書籍がちょっとだけ売れていた。でも全然、少額です。 記録キューバ旅行作者: 川添出版社/メーカー: lfk発売日:…

「損をして覚える株式投資」感想・書評

個人投資家の人と話す機会があり、投資関連の本を何冊か読んでいる。今回読んだのは2012年に亡くなられた邱永漢の『損をして覚える株式投資』。これを読むに至ったきっかけは、知り合いの個人投資家が邱永漢の本を勧めており、ブックオフで100円で売っている…

「ソクラテスに聞いてみた」感想・書評

友達、恋愛、仕事、お金、結婚といった現代人の素朴かつ根源的な悩みについて、この本では「ソクラテスに訊ねる」という構成になっている。文章は対話形式になっており、ある日facebookで友達申請が来た自称ソクラテスのおっさんと道端で出会い、お悩み相談…

This is ハードボイルド「ロング・グッドバイ(翻訳:村上春樹)」の感想・書評

彼はライターで胸をとんとんと叩いた。「もうからっぽだ。かつては何かがあったんだよ、ここに。ずっと昔、ここには何かがちゃんとあったのさ、マーロウ」 位置No.7672-7674 今回読んだのは、村上春樹が影響を受けたレイモンド・チャンドラー著『ロング・グ…

「バフェットの銘柄選択術」エクセルシートを作った

以前に個人投資家に勧められた『億万長者を目指す バフェットの銘柄選択術』を読んだ。僕は億万長者など目指していないが「10年以上読み続けられている」と呼び声のある名著らしく、中古で買っても1200円以上する(定価1700円)。著者はウォーレン・バフェッ…

「写真の読みかた」感想・書評

岩波青版のかなり古い本「写真の読みかた」。書かれたのは1963年、著者は名取洋之助という報道写真家、編集者。ドイツで報道写真家としてキャリアをスタートし、報道写真という概念を日本に持ち込んだような人。 この本は「写真の読みかた」というタイトルだ…

下鴨納涼古本まつりに行ってきました

8/11から16のお盆の間ずっとやってるみたいです。時間帯は朝10:00から夕方17:00まで。昨日は雨も降っていたけれど今日は降らず、ゆっくり見て回っていました。僕が行ったのは昼の2時頃。人はこのとおり多い。年齢層もまんべんなく。 僕が見て回っていたのは…

「魔女狩り」の恐怖

“人は宗教的信念によって行うときほど、喜び勇んで徹底的に悪を行うことはない” ―パスカル 『パンセ』 岩波新書「魔女狩り」(著者:森島恒雄)を読んだ。この本はドイツ、フランス、スペイン、スコットランドといったヨーロッパ諸国において、中世から18世…

「多動日記」感想・書評

多動日記は、高城剛がヨーロッパを旅行中に書いていた日記。タイトルは日付と滞在先になっているが、滞在先にはほとんど触れておらず自身の意見だけを述べている。著書「2035年の世界」のことが触れられているから、書かれたのはおそらく2014年のあたりだろ…

「ハイファに戻って/太陽の男たち:ガッサーン・カナファーニー」感想・書評

『ハイファに戻って/太陽の男たち』の文庫を買った。今年(2017)の6月に発売されたものだ。これ、なんで文庫化されてんの? 原著が発表されたのは1960年代、日本語版は2009年に単行本が出ている。著者はガッサーン・カナファーニー、この人有名なの?文庫…

「ヒドゥン・オーサーズ」感想・書評

それでは数が多いので全部紹介できないが、一部引用したりしながら紹介してみる。 「ごめんね、 校舎」 大前粟生 小説?散文?校舎に包帯をぐるぐると巻いていく話。パラパラマンガ見てるみたいだった。 包帯に摑まったその子が、顔をこっちに突き出す。修復…

読みたい本をどこから見つけるか

読みたい本が増えてきてせっせと欲しいものリストに追加している。しかし手元にはまだ読み終えていない本が1、2、3、8冊ある。中には借り物もあって、こちらから先に読んでいかなければならない。それにしても、このように読みたい本がどんどん溜まっていく…

村上春樹小説の性描写を数えてみた

村上春樹が7年前に書いた長編小説「1Q84」を昨日読み終えた(「騎士団長殺し」はまだ読んでいない)。読んでいてどうしても気になったのが、この本セックス多すぎない?もともと性描写の多い村上春樹小説だが、それにしても1Q84は多い。ところどころでやりま…

「1Q84」感想・書評

一週間ぐらいかけて1Q84を読んだ。率直な感想としては、村上春樹の本としては珍しい部類だった。まず、暗い話ではなかった。何事もなくすんなりとハッピーエンドを迎える。村上春樹の新しめの作品はハッピーエンドな傾向が高い。たとえば「海辺のカフカ」も…

「わたしを離さないで」感想・書評

もしかしたら、そうかも。そうか、心のどこかで、俺はもう知ってたんだ。君らの誰も知らなかったことをな p421 率直に言って、なんじゃこりゃーという小説だった。この前に「日の名残り」を読んでいたから、一人称の独白で過去を回想しながら現在にたどり着…

「日の名残り」感想・書評

カズオ・イシグロの「日の名残り」を読んだ。いろんな意味でうまくできた話だった。展開が気になるおもしろさがあり、こっけいさを描いた笑いもあるかと思えば、仕事に打ち込み燃える姿や、政治にまつわる教養と緊迫感もある。さらにはそこに恋愛も加えられ…

「日本人の英語」は難しすぎる

「日本人の英語」を読んだ。難しい。何が難しいかって、日本人が英語を習得することが難しい。著者のマーク・ピーターセンはアメリカで英米文学、日本文学を専攻し、現在は明治大学で教授をしている。バリバリ日本語を話し、この著書も自ら日本語で書いたも…

「ノルウェイの森」を読むのはとてもつらい

「ねえ、あれは本当に淋しいお葬式だったんだ。人はあんな風に死ぬべきじゃないですよ」 下巻p252 村上春樹のファンタジー冒険小説を読んでいてもこんなふうに思うことはほとんどないんだけど、「ノルウェイの森」を読んでいるととてもつらい気持ちになって…

キューバ旅行記をKindle本にした。超簡単だけど超大変だった

先日から既に公開しているけれどあらためて。2015年に旅行したキューバの日記を電子書籍にまとめた。まとめ記事は検索からのアクセスもあり、ある程度読まれるんだけど、苦労して書いた旅行記がほとんど読まれない。これはもったいないと思い、全部ひとつに…

「海辺のカフカ」感想・書評

僕らの人生にはもう後戻りできないというポイントがある。それからケースとしてはずっと少ないけれど、もうこれから先には進めないというポイントがある。そういうポイントが来たら、良いことであれ悪いことであれ、僕らはただ黙ってそれを受け入れるしかな…

「爆笑問題のススメ」に見習う

昨日のリスペクターの話のつづき。 以前にTwitterで、文学界が盛りあがらないという話を見かけた。文芸誌は売れておらず、ピース又吉が芥川賞獲ったりしないと一般読者層はついてこない。その流れも極めて一部、一時的であり、安定しているのは村上春樹が既…

クローズアップ現代のハルキスト特集がきつい #騎士団長殺し

2/23(木)に放送されたグローズアップ現代+は「いきなり130万部!?村上春樹新作フィーバー」というタイトルだった。この時点で「騎士団長殺し」の内容は全く明らかになっておらず、発売を目前にして番組で何を扱うのかと思えば、まさかのハルキストだった…

「怪しいシンドバッド」感想・書評

長いこと旅行から遠ざかっている。最後に旅行したのは去年の夏、あと4ヶ月ほどで日本に帰ってきて1年になる。どこかへ行きたい、どこか遠いところへ、そんな気持ちを常に胸の片隅に置きながらも、しばらくは眠っていた。「怪しいシンドバッド」を読んではい…

「パプリカ」感想・書評

筒井康隆のSF小説「パプリカ」を読んだ。この人の長編小説を読むのはこれが初めてだった。代表作はなんだろうと思って調べていたら「旅のラゴス」っていうのが評判がいい。そのうち読むかもしれない。「パプリカ」の方は映画を先に見ていたため、どうしても…

風呂で本を読む習慣

風呂で本を読む習慣がある。昔からではなく、つい最近の話だ。なぜ風呂で本を読むようになったか。風呂に入ると暇で、すぐにあがってしまう。そして脱衣所に出ると寒い。銭湯や温泉に行ったときは、外が寒いぐらいであっても涼しく感じる。それは体が温まっ…

2017年時点の電子書籍事情と未来予測

2015年の秋頃、アメリカで電子書籍が失速し、紙のメディアに戻る流れがあるというニュースを見て、ホッと胸をなでおろした旧体制の保守派にいる方々は多かっただろう。2012年に紙媒体を廃止し、電子版のみに移行していたNewsweek誌は、わずか1年で紙媒体を復…

本気の人はおもしろい「怪魚ウモッカ格闘記」感想・書評

「もうアートなんか超えた、まったく新しいジャンルですよ」 これは当時39歳のノンフィクション作家、高野秀行が「謎の怪魚ウモッカ」を探しにインドへ向かう話だ。約10年前の現代、2006年に書かれた本である。「謎の怪魚ウモッカ」とは、日本人のモッカさん…

やっぱりドストエフスキー読もうぜ!

ピピピのブログで、記事内容を読むのがめんどくさい人用に動画で読みあげるっていうのをやっていたのでパクります。 ↑読むのめんどくさい人は再生(30分) 映画の黒澤明に続き、定番シリーズです。別に、自称本好きのくせにドストエフスキーも読んだことない…